2017.10.27
お知らせ
本年度の文化勲章を、伶楽舎の音楽監督である芝祐靖先生が受賞されることが発表されました!
雅楽の伝統を継承しつつ、海外公演や、子供向け楽曲の創作で裾野を広げた功績が評価されました。
文化勲章での雅楽の顕彰は初めてとのことです。
文化勲章の親授式は11月3日に皇居で開かれます。
芝先生、おめでとうございます!
http://www.asahi.com/articles/ASKBR6GTWKBRUCVL02N.html/
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/tradition/CK2017102702000192.html/
2017.07.26
演奏会
雅楽童話『ききみみずきん』楽曲解説
=こどものみなさまへ=
みなさんは、カラスや、牛の声を聞いたことがありますか?鳥や動物たちは、私たち人間にはわからない言葉で、いつも楽しそうにおしゃべりをしています。もしも、その言葉やお話がわかったら、わたしたちも公園や森を歩くのがどんなに楽しくなるでしょう?
「ききみみずきん」の主人公(やすけ)は、キコリという山で木を切るお仕事の若者です。森でキツネの子を助けたお礼に、鳥や動物たちのおしゃべりが人の言葉で聞こえる魔法の頭巾(帽子)をもらいました。さて、この物語にはどんな動物が登場するでしょう?そして、若者(やすけ)はその頭巾をどんな事に使うのでしょうか?
ここ↓にある音楽を聴いて、みなさんもいっしょに歌ってくださいね!
https://youtu.be/eBblgchUObs
=大人の皆様へ(初演時プログラムノートより)=
「ききみみずきん」は、日本でよく知られた童話です。不思議な頭巾をかぶると、鳥や動物の声が人の言葉となって聞こえてくるというお話です。ここに登場する「ずきん」は、現代でいえば、知らない国の言葉を即座に翻訳してくれるスマートフォンのような便利なメディアです。そして、主人公の彌祐(YASUKE)は、このメディアを駆使して人生を切り拓くのでした?!
ところで、雅楽では、初めに”唱歌”という旋律をなぞったような歌を習います。古典の唱歌には、言葉としての意味はありませんが、音楽を言語化して捉えるという発想はとてもユニーク且つ記憶の身体性に適っており、私は、雅楽千年存続の秘密の一つではないかと思うのです。
そこで、雅楽童話「ききみみずきん」の世界では、雅楽古典曲に現れる音型の中から特徴的なフレーズを選び出し、これを鳥や動物たちの鳴き声に見たて、さらに日本語の語感に当てはめて、物語のセリフに翻訳してみました。もちろん、この作業を手伝ってくれる便利な翻訳機はありません。しかし、楽器各々の古典的な奏法にこれらを発見する楽しさは、思えば子供の頃、かっこいいと思う新しい言葉に出逢うたび、それを何度も唱えて遊んだ経験と重なります。そう、使い古された言葉が子供にとっては新鮮なように、千年の歴史を持つ雅楽は、発見と咀嚼の喜びに満ちているのです!
さて、この作品は単なる音型の翻訳にとどまらず、聴き手のアナタに更なる謎掛けとトランスクリプションを期待します。演奏される曲中に、何種類の生き物が登場するか、どんな意図を掴みとっていただけるでしょうか?
東野珠実記
2017.07.17
演奏会
昨年8月に行われた「子供のための雅楽コンサート2016」では、管絃「越天楽」、舞楽「蘭陵王」、昔話と雅楽による「カラ坊風に乗る」を上演しました。
沢山の子どもたちや大人たちが、見て聞いて感じたことをアンケートにご記入くださいましたので、少しご紹介します。
~子どもたちから~
・だがっきがおもしろかった。りょう王がこわかった。(4歳)
・がっきたいけんの しょうのうらのあなをおさえるのが むずかしかった。(小2)
・雅楽はとても聞いていて楽しいです。(小4)
・新聞を書くために見にきましたが、とても色々な事を学べたので、良い新聞が出来そうです。(小6)
~大人から~
・幼児でも充分楽しめる内容でした。
・めったに手に触れられない楽器に触れることができて、子どもがとても喜んでいました。
・とてもきれいな音で感動しました。琵琶を実際に拝見したのも初めてです。思っていたより大きくて、こんな音がするのかと楽しく聴かせて頂きました。
・・・今年もどうぞお楽しみに。
2017.07.13
お知らせ
ご好評いただいております伶楽舎夏休み企画「子供のための雅楽コンサート」、今年も開催!
古典曲の管絃合奏や舞楽はもちろん、今回は、皆様ご存知の童話「ききみみずきん」が登場します。
楽器体験や、唱歌体験、さらに下記の動画をご覧頂いただき、会場で雅楽合奏を伴奏に、是非ご一緒に歌いましょう!
※この動画は、2014年初演の際に作成したものです。
子どものための雅楽コンサート2017
雅楽ってなあに
日時:2017年7月31日(月)14時開演(13時半開場)
場所:四谷区民ホール
内容:
雅楽の楽器ってどんな音?
「越天楽」の唱歌をうたってみよう!
「越天楽」を聞いてみよう!
舞楽「胡飲酒」を見よう!
雅楽童話「ききみみずきん」東野珠実作曲・脚本 ほか
☆休憩中に子どものための体験コーナーがあります
チケット代金(全自由席)
大人 前売り1500円 当日2000円
子ども(中学生以下)前売・当日とも500円
*未就学児入場可
チケット申込:
◆伶楽舎Eメール:ticket0731@reigakusha.com(7/29 17時まで受付)
FAX:03-5269-2011(ファックスのみのお取り扱い)
◆東京コンサーツ 電話03-3200-9755 (10~18時 土・日・祝日は休み)
http://www.tokyo-concerts.co.jp
(東京コンサーツのホームページで予約すると、セブンイレブンで支払い、受け取りができます)
音楽監督:芝祐靖
企画主催:伶楽舎
助成:芸術文化振興基金
アーツカウンシル 東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
一般社団法人 伶楽舎 03-5269-0243
info@reigakusha.com
2017.07.13
演奏会
もうすぐ夏休みですね。
今年も、子どものための雅楽コンサートが7月31日にありますよ。
楽器のお話を交えながら演奏を聞いたり、面や華やかな装束をつけた舞人による舞楽をみたり、語りと雅楽による「ききみみずきん」のお話を聞いたり、と、盛りだくさんなプログラムです。
そして、休憩時間には楽器に触れて、実際に音を出してみる楽器体験コーナーがおすすめです!
一生懸命楽器に息を入れて吹く子どもたち、音が出た時の嬉しそうな顔、かしこまった顔で太鼓の前に座る姿、はじめての楽器にチャレンジする子どもたちと会えるのを、とても楽しみにしています。
子どもたちにも、そして子どもの心をもった大人たちにも楽しい雅楽のコンサート、是非お越しください。
(写真は、昨年行われた「子どものための雅楽コンサート2016」の様子です。)
2017.06.08
演奏会
平成29年度 文化庁 文化芸術による子供の育成事業
『子どものための雅楽コンサート雅楽って聞いたことある?』
<日時>
2017年6月9日(金)~6月20日(火)、
11月6日(月)~12月8日(金)
<場所>
沖縄県 竹富町 竹富町立波照間小中学校
鹿児島県 和泊町 和泊町立和泊小学校
鹿児島県 和泊町 和泊町立和泊中学校
鹿児島県 南種子町 南種子町立中平小学校
鹿児島県 西之表市 西之表市立住吉小学校
鹿児島県 鹿児島市 鹿児島市立清水小学校
鹿児島県 曽於市 曽於市立大隅北小学校
鹿児島県 薩摩川内市 薩摩川内市立可愛小学校
鹿児島県 日置市 日置市立土橋中学校
鹿児島県 鹿屋市 鹿屋市立細山田中学校
鹿児島県 鹿屋市 鹿屋市立南小学校
鹿児島県 志布志市 志布志市立潤ヶ野小学校
宮崎県 日南市 日南市立吾田東小学校
宮崎県 日南市 宮崎県立日南くろしお支援学校
宮崎県 美郷町 美郷町立西郷中学校
宮崎県 延岡市 延岡市立東小学校
大分県 大分市 大分市立明野西小学校
<プログラム>
雅楽の楽器ってどんな音?
「越天楽」を聞いてみよう!
舞楽『胡飲酒』
芝祐靖作曲・脚色「ポン太と神鳴りさま」 または
芝祐靖作曲・脚色「カラ坊風に乗る」
ほか
*各公演実施校にて、公演の事前に唱歌・楽器・舞を体験するワークショップを行います。
出演
雅楽:伶楽舎
主催
文化庁 文化芸術による子供の育成事業
http://www.kodomogeijutsu.com/junkai/kouen.html
※この公演は、一般には公開されません。
2017.04.06
お知らせ
NHK Eテレ「にっぽんの芸能」にて、芝祐靖復曲・構成「露台乱舞」(演奏:伶楽舎)が放送されます。
〇タイトル:にっぽんの芸能:平安の音色を楽しむ「露台乱舞」
〇日時:2017年4月14日(金)23:00~23:54(Eテレ)
(再放送)4月17日(月)12:00~12:54(Eテレ)
(国際放送)4月15日(土)27:15~28:09(ワールドプレミアム)
今回は、去る11月30日に東京オペラシティコンサートホールにて行われた「伶楽舎第十三回雅楽演奏会」より芝祐靖復曲・構成「露台乱舞」の演奏・舞が放送されます。
この番組では昨年12月23日にも同演奏会「秋庭歌一具」を取り上げていただきましたが、この2曲を演奏した「伶楽舎第十三回雅楽演奏会」はチャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演であるとして、サントリー芸術財団より第十六回「佐治敬三賞」を贈られることになりました。
番組では伶楽舎音楽監督の芝祐靖をゲストに迎え、解説を交えながら作品を鑑賞します。
どうぞご覧ください。
にっぽんの芸能のサイトは http://www4.nhk.or.jp/nippongeinou/
2017.03.17
お知らせ
伶楽舎第十三回雅楽演奏会~武満徹『秋庭歌一具』」が、第16回(2016年度)佐治敬三賞を受賞致しました!
http://www.suntory.co.jp/news/article/sfa0019.html
以下、サントリー企業公式サイトより情報引用させていただきます。
<贈賞理由>
伶楽舎による「第十三回雅楽演奏会」は、本年度において出色の充実度を誇るものであった。
まず前半は『露台乱舞』と題された試みで、様々な管絃、乱舞、催馬楽、今様などをメドレー風に並べながら、中世の宮中の宴を再現しようとするもの。芝 祐靖氏による構成は、雅楽という、きわめてフォーマルで堅苦しい音楽を、当時の雑多な文脈の中に置き、想像力を働かせながら再構成するという遊びを見事に成し遂げており、結果として、聴き手をも巻き込みながらホールを独特のノスタルジーで満たすことになった。酔っぱらいの楽人などがあらわれるという細かい趣向にも念が入っている。
後半は、武満 徹の『秋庭歌一具』を、勅使川原三郎・佐東利穂子両氏のダンスとの共演で聴かせるというアイディア。この作品は、1970年代における初演以来、伶楽舎という団体がもっとも重要なレパートリーとして位置付けているものであり、今回で25回を数えるという演奏はすでに高い洗練度を備えている。しかしながら、勅使川原氏のダンスが加わることの効果は想像を超えたものであった。細かい反復やヘテロフォニックな造形に特徴がある本作は、武満作品としてはもっとも長い部類に属し、若干、冗長さを感じる側面も否めない。しかし、音楽のテクスチュアが単調になったり、響きが薄くなったりするところで、ふわりと二人のダンスが眼前にクローズアップされてくる。彼ら独特の軟体的なダンスは、こうして音楽の中に入り込み、一種の楽器のように機能したのだった。
老舗の団体ではあるものの、若々しい挑戦の意欲に満ちた本公演は、佐治敬三賞の精神を見事に体現するものであり、審査員一致で贈賞が決定した。
<公演概要>
名称:伶楽舎第十三回雅楽演奏会~武満徹『秋庭歌一具』
日時:2016年11月30日(水)19:00開演
会場:東京オペラシティ コンサートホール:タケミツメモリアル
曲目:芝 祐靖(復曲・構成)/露台乱舞(1988)
武満 徹/秋庭歌一具*(1973/1979)新振付
出演:伶楽舎
舞* 勅使川原三郎、佐東利穂子
音楽監督:芝 祐靖
振付・照明・衣裳:勅使川原三郎
照明技術:清水裕樹(有限会社ハロ)
主催・企画:一般社団法人伶楽舎
共催:公益財団法人東京オペラシティ文化財団
※佐治敬三賞について
公益財団法人サントリー芸術財団(代表理事・堤 剛、鳥井信吾)は、故・佐治敬三(サントリー元会長、サントリー音楽財団元理事長)の功績を記念して、2001年度(平成13年度)から「佐治敬三賞」を創設しました。
この「佐治敬三賞」は佐治の音楽への深い愛情と理解およびチャレンジ精神、パイオニア精神を承継し、新しい世紀のわが国における音楽公演活動の一層の振興を願って、氏の名を冠した新しい賞として制定されました。
この賞は、毎年わが国で実施された音楽を主体とする公演の中から、チャレンジ精神に満ちた企画でかつ公演成果の水準の高いすぐれた公演に贈られるもので、応募のあったものの中から選定されます。賞金は200万円です。
故・佐治敬三は、早くから文化事業への支援に力を入れ、特に音楽界においては鳥井音楽財団(現サントリー芸術財団)を設立、サントリー音楽賞をはじめとするわが国の洋楽の振興を目的とした諸事業のほか、東京初のコンサート専用ホール「サントリーホール」の建設・運営などを行ってきました。
1999年11月3日に急逝した佐治の遺族から“音楽界のために役立ててほしい”として遺産の一部が寄付されたことから、財団で検討した結果、「佐治敬三賞」の創設にいたりました。
2017.03.10
お知らせ
芸術各分野の優れた業績を表彰する2016年度芸術選奨受賞者が、3月8日に文化庁より発表され、
伶楽舎メンバーである、宮田まゆみさんが、芸術選奨の文部科学大臣賞(音楽)を受賞されることとなりました。
平成28年の「笙リサイタル 甦(よみがえ)る古譜と現代に生きる笙 シリーズⅢ」の2回の公演のどちらにおいても「精緻な表現力が際立ち,時代やジャンルを超えて飛翔(ひしょう)する笙の魅力を最大限に引き出したこと」が評価されたとのことです。14日に東京都内で贈呈式が開かれます。
宮田さん、受賞おめでとうございます!
2016.12.20
演奏会
11月30日に東京オペラシティコンサートホールでの「伶楽舎第十三回雅楽演奏会」で演奏された、武満徹作曲「秋庭歌一具」が、12月23日夜、NHKEテレにて放映されます。どうぞご覧ください。
日時:2016.12.23(祝) 23:00-23:55
(再放送)12.26(月)12:00-12:54
番組名:にっぽんの芸能「没後20年・武満徹“秋庭歌一具”」
*20世紀を代表する作曲家、武満徹(1930-1996)。没後20年にあたる今年、武満が昭和48年に作曲した雅楽アンサンブル作品「秋庭歌一具」(しゅうていがいちぐ)が雅楽演奏団体・伶楽舎によって新たな演出で上演された。伶楽舎は古典雅楽の演奏はもちろん、武満ほか現代作曲家による委嘱曲の演奏も積極的に取り組んできた。今回は舞人として国際的に活躍する勅使川原三郎ほかを迎えて作品に新たな空気を吹き込む。