2019.05.06
演奏会
『源氏物語』に描かれた舞楽「青海波」の場面には「木高き紅葉の陰に四十人の垣代いひ知らず吹き立てたる」と書かれています。この垣代(かいしろ/ かきしろ)というのは青海波特有の作法で、かつては40人もの垣代が行列して「大輪」を作ったり、二つの「小輪」を作ってその人垣の中で舞人が装束を着改めて出てくる演出があったそうです。
今回はホール公演でスペースも人数も限られているため、こうした壮大な演出をそのままに行うことは難しいのですが、舞楽「青海波」の途中に、「詠」「垣代楽人音取」「唱歌」「垣代奏楽」といった垣代作法を入れての上演を試みます。
光源氏の声が迦陵頻伽のようであったために皆が涙したと記される「詠」は小野篁の作った漢詩ですが、今回はこれに伶楽舎音楽監督の芝祐靖が節をつけたものを唱えます。
「青海波」でしか見ることのできない、この垣代作法にもどうぞご期待ください。
2019.04.03
演奏会
「青海波」は、元々は平調だったものを、仁明天皇(在833-850)の勅命により盤渉調に渡した(移調した)と伝えられています。この平調の原曲は残念ながら失われてしまったようなのですが、実は古譜を探すと平調「青海波」の譜がいくつも残されています。どうやらこれらは現行の盤渉調「青海波」から渡されたようです。
実は古譜を探すと、この平調と盤渉調の他にも、黄鐘調と双調に「青海波」が載っていることがあります。黄鐘調の方は現在も演奏されていますが、双調でも「青海波」が演奏されていたというのは驚きでした。
「越殿楽」のように3つの調で演奏される曲は他にもありますが、4つの調で演奏される曲というのはとても珍しく、いにしえの人々の「青海波」への思い入れの大きさを感じます。
今回の演奏会では、管絃にて、平調と盤渉調の「青海波」は全曲、双調と黄鐘調の「青海波」は抜粋して演奏いたしますので、どうぞお楽しみください。
2019.04.03
演奏会
「青海波」といえば、「源氏物語」の紅葉賀で、源氏の君が頭中将と二人で舞い、そのひかり輝く美しさに皆が涙するシーンが有名です。実際、後白河法皇など上皇の五十賀の折には、40人もの垣代を伴う大掛かりな演出で、貴人が豪華な装束を身にまとって「青海波」を舞ったことが、記録に多く残されています。
「輪台」を序、「青海波」を破とするとされていますが、今回の公演では、「青海波」部分を、詠や吹渡といった垣代作法を小規模ながら取り入れた形で上演いたします。
萌黄色の青海波模様の装束に千鳥の刺繍を施した豪華な装束、舞の間に挿入される垣代作法、小野篁の詩に節をつけた詠、男波・女波・千鳥懸と美しい名前の付いた打もの(打楽器)の奏法、波をイメージさせる舞の手。どれをとっても、いにしえよりこの舞が特別な扱いであったことがわかります。
貴人たちの青海波にはとても及びませんが、紅葉賀のシーンを思い浮かべながらご覧いただければ幸いです。
2019.01.07
お知らせ
あけましておめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、深く御礼申し上げます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 2019年 元旦
・・・これからの自主公演予定・・・
□2019年5月27日(月)伶楽舎雅楽コンサートno.35 青海波を聴く、観る(四谷区民ホール)
□2019年7月27日(土)伶楽舎子どものための雅楽コンサート2019 雅楽ってなあに?(千日谷会堂)
□2020年1月 伶楽舎雅楽コンサートno.36 芝祐靖復曲「盤渉参軍」全曲演奏(四谷区民ホール・予定)
2018.11.19
お知らせ
12月16日に開催される第十四回雅楽演奏会について、情報誌「ぶらあぼ」に掲載されました。
2018.11.04
お知らせ
この度、伶楽舎所属の宮田まゆみが、紫綬褒章を受章致しました。
おめでとうございます!
2018.09.15
演奏会
いよいよ9月18日(火)チケット発売開始となります。
全席指定ですので、良い席はお早めにご予約ください。
詳しくは伶楽舎ホームページ内、演奏会情報ページでご確認ください。
2018.09.15
演奏会
芝祐靖(しばすけやす)
1935年東京生まれ。奈良系の伶人の家に生まれたため、宮内庁楽部予科、引き続き楽生科に入学。横笛、左舞、琵琶、古代歌謡などお修め、1955年卒業。宮内庁楽師(総理府技官)として主に龍笛で活動。古典雅楽の演奏のほか、現代雅楽、現代邦楽の作曲・演奏を行い、雅楽廃絶曲の復興も手掛ける。1984年宮内庁を退官し、横笛演奏を中心とした活動を始める。1985年伶楽舎を結成。また、国立劇場の正倉院収蔵楽器復元に参加し、敦煌琵琶譜などの復興にも携わる。1986年よりソロ、伶楽舎ほかのアンサンブルで海外公演も行っており、古典・現代雅楽の紹介活動につとめている。2003年より日本藝術院会員。2009年旭日中綬章授章ほか受賞多数。2011年文化功労者。2017年文化勲章受章。伶楽舎代表理事。
2018.09.15
演奏会
◇この度、一柳 慧先生が文化勲章を受章されました。おめでとうございます!(2018年11月3日)
一柳 慧(1933-)
神戸市生まれ。高校時代(1949年)に毎日音楽コンクール(現日本音楽コンクール)作曲部門に第1位入賞。ピアノを原智恵子、B・ウェブスターに師事。19歳(1952年)に渡米、ジュリアード音楽院卒業。この間にE・クーリッジ賞、A・グレチャニノフ賞を受賞。留学中にジョン・ケージと知己を得、偶然性や図形楽譜による音楽活動を展開。1961年20世紀音楽研究所の招聘で帰国。自作品並びに欧米の新しい作品の演奏と紹介でさまざまな分野に強い刺激を与える。ウィーン・モデルン、ベルリン・フェスティバル、イギリスBBC、パリ管弦楽団、スイス・トーンハレ、フィンランド・アヴァンティなどから作品の委嘱を受け、欧米各地で精力的に作品発表と演奏活動を展開。国内では尾高賞を5回、フランス芸術文化勲章、毎日芸術賞、京都音楽大賞、サントリー賞ほか受賞多数。2008年より文化功労者、2016年度日本芸術院賞、及び恩賜賞を受賞。現在、神奈川芸術文化財団芸術総監督。作品はグランド・オペラ4曲、10曲の交響曲、12曲の協奏曲、6曲の雅楽、電子、コンピューター音楽など、上演回数もきわめて多い。
2018.09.15
演奏会
情報化社会やグローバリゼーションが当たり前のように環境を埋めつくす世の中になって、音楽は今、それらの影響を少なからず受けています。その最たるものは、マニエリズム化や、エンタテインメント性の台頭によるものでしょう。このような時に雅楽を作曲する機会に恵まれたことは、その影響から離れて、芸術音楽に専念できる状況を提供されたことだと考えています。雅楽はエンタテインメントからもっとも遠いところに位置する音楽と言えるからです。その意味で今作曲に着した「二十四節気」は、自然の変化を凝視し、ありのままの自然に還る姿勢で音楽と取り組める喜びと向き合っています。一柳慧