2020.12.22
演奏会
〇芝祐靖作曲「舞楽風組曲」(芝祐靖作曲1963年)
「舞楽風組曲」は昭和38(1963)年に、NHKの依頼により芝祐靖が作曲した、雅楽器と邦楽器(箏、十七絃、尺八、小鼓、大鼓)混成の合奏曲です。
「水の舞」「風の舞」「火の舞」の三楽章からなる組曲で、各章に古典雅楽曲の美しい旋律が用いられており、「青海波」、催馬楽「安名尊」、「合歓塩」、「長慶子」からの一節が、リズムやハーモニー、楽器編成を変化させながら登場します。この曲はこの年の芸術祭奨励賞を受賞しました。
昭和38年といえば、NHKが中心となって「現代の日本音楽」運動が活発となり、邦楽家が競って新しい感覚の作品を作曲した頃です。芝はプログラムノートの中で、こうした現代邦楽作品に、龍笛奏者
作曲当時、芝祐靖は28歳。若々しい感性を感じさせる舞楽風組曲を、どうぞお楽しみください。
2020.12.22
演奏会
〇寓話第一番 — 尺八・ハープ二重奏(芝祐靖作曲1966年)
この曲は1966年に芝侃子氏の委嘱により作曲され、尺八は横山勝也氏、ハープは芝侃子氏の演奏で初演されました。
尺八とハープの編成による「寓話」は、この第1番から1995年に作曲された第4番まで4曲作曲されており、芝祐靖がこの取り合わせを好んでいたことがうかがえます。
作曲者はプログラムノートに次のように記しています。
「二つの楽器はそれぞれ東洋と西洋を代表する民族楽器ですが、尺八は深編み笠の虚無僧を、そしてハープは西洋の貴婦人を連想します。この二人の対話を想像してみますと、そこにはなんとなく風変わりな物語が自然に浮かびます。
曲は幻想曲のような自由な形式で書きましたが、尺八はフルートのように、またハープは箏のような音型を奏でる部分もあり、東西の楽器の響きの調和をねらった作品です。」
尺八とハープの奏でる寓話をどうぞお楽しみください。
2020.12.21
演奏会
〇高麗楽 狛犬 乱声、破、急(芝祐靖復曲1981年)
芝祐靖は数多くの遠楽(廃絶曲)を復曲していますが、そのほとんどは唐楽曲や歌物(朗詠や催馬楽など)で、『遠楽の復曲』に収められた16曲の復元曲の中に高麗楽曲は1曲しかありません。今回はこの高麗楽曲「狛犬」を取り上げます。
「狛犬」は、相撲節や打毬のおりに勝負の音楽として右方が勝ったとき奏されたといい、大法要の時には、左方に獅子、右方に狛犬を奏すとされていました。
残念ながら早くに廃絶してしまったこの曲ですが、「懐中譜」(1095年大神惟季撰)には「狛犬 乱声・破・急」の笛譜が書き残されており、芝祐靖はこの譜をもとに高麗楽の編成に復曲し、昭和53年(1978)国立劇場の「舞楽法会 安養楽土」で初演されました。
往時は狛犬の扮装をした舞とともに奏されたと想像できるこの曲ですが、今回は演奏のみでお聴きいただきます。
高麗楽「狛犬」を「乱声、破、急」の構成でお楽しみください。
2020.12.21
演奏会
1月31日に行われる第十五回雅楽演奏会の各曲の聴きどころを順にご紹介します。
〇平調「蘇合香急」(芝祐靖移調1993年)
「蘇合香」は、一具を全曲上演すると3時間にも及ぶ盤渉調の大曲です。その最終楽章にあたるのが「急」の部分で、今回はこの「蘇合香急」を芝祐靖が平調に渡した(移調した)曲を、演奏します。
この平調「蘇合香急」は、1993年に国立劇場主催「極楽声歌」公演で初演されましたが、この時は「弥陀仏 めでたき誓いを我よく頼む 蓮(はちす)の上に必ず据えよ ゆめ違(たが)うなよ」という極楽声歌(平安後期以降に盛行した極楽のめでたさを讃嘆する歌)に合わせて演奏されました。「順次往生講式」に、この歌は平調「蘇合(香)急」に合わすと記されていたためです。
その後、ほとんど演奏される機会のなかったこの曲ですが、今回は、楽曲のみで演奏いたします。盤渉調の蘇合香急の篳篥と龍笛の旋律型(めぐり)を一つ一つ分析しながら渡したという平調の蘇合香急。どうぞお楽しみください。
2020.12.16
お知らせ
日本文化情報サイト”わつなぎ”に、<音のVR>プロジェクトに関するインタビュー記事が掲載されました。
https://watsunagi.jp/collab/9141/
ご一覧ください!
2020.12.08
録音・録画
雅楽版<音のVR>、そして雅楽とオーケストラによる《東西交響》が世界初360度アンサンブルとして実現!
伶楽舎*国立劇場*KDDI*新日本フィルハーモニーのコラボレーションによる、新たな時代の文化創造への挑戦です。
第一弾の公開は、KDDI独自開発による<音のVR>iPhoneアプリで、これまでにない視聴体験をお楽しみください!
■音のVRサイト
https://time-space.kddi.com/otonovr/■KDDI TIME&SPACE (下方に概要紹介動画有り!)
https://time-space.kddi.com/au-kddi/20201207/3021iPhone版 <音のVR>アプリ画面より
2020.12.07
録音・録画
「アートにエールを!東京プロジェクト ステージ型」に伶楽舎「子どものための雅楽コンサート2020」が公開されました。
毎夏の恒例となっていたこのコンサートも今年は残念ながら中止となってしまいましたが、こうしてダイジェスト版ではありますが、映像でお楽しみいただけるようになりました。
子どもたちだけでなく、大人の方も十分楽しめる内容です。是非、老若男女、全ての皆さまにご覧いただけましたら幸いです。
「アートにエールを!」公式サイト
https://cfa-stage.jp/movie/
2020.10.30
お知らせ
<お知らせ>
伶楽舎が受賞した第50回ENEOS音楽賞邦楽部門の表彰式は、今年は新型コロナウイルス感染防止の観点からリモートで行われます。
ENEOSビル内の特設会場と受賞者を結び、
11月20日(金)14時より、YouTubeで、リアルタイム配信が予定されています。
下記のURLから、どなたでもご覧いただけますので、よろしかったらご覧ください。
http://www.eneos-award-2020.com/
*ENEOS音楽賞については、以下をご参照ください。
https://www.hd.eneos.co.jp/csr/child_reward/
なお、邦楽ジャーナル、赤旗などに堀川登志子さんが書いてくださった記事も合わせてご覧ください。
2020.10.06
CD
2020.07.17
放送・放映
2020年3月14日(土)に東京国立博物館平成館で収録しました日本博特別公演「日本の音と声と舞」がNHKでも放送されます。
番組名:日本博特別公演~日本の音と声と舞
放送日:2020年7月19日(日) 13:50~14:58
放送局:NHK総合テレビ
なお、BS日テレでの放送内容は、民放テレビ局連携公式ポータルサイト「TVer」にて無料配信中です。(配信期間: 7月19日(日)13:23まで(予定))
是非、ご覧ください。