2022.07.22
演奏会
明日、7月23日開催の「伶楽舎子ども雅楽コンサート」は感染症対策を取りながら、予定通り開催されます。
なおチケットは全て完売しており、当日券の販売もありませんので、お気をつけください。
2022.04.25
演奏会
~抜頭は髪振り上げたる。まみなどはうとましけれど、楽もなほいとおもしろし。~
~落蹲は、二人して、膝踏みて舞ひたる。~
『枕草子』の舞の段で挙げられている曲目は、「駿河舞」「求子舞」「太平楽」「鳥(迦陵頻)」「抜頭」「落蹲(納曽利)」です。
いずれも現代でも人気のある舞ですが、今回の演奏会で取り上げるのは「抜頭」と「納曽利」です。
「抜頭」の面は赤ら顔に大きな鼻、太い眉毛が吊り上がっているのが特徴的で「まみなどはうとまし(目つきなどが気味悪い)」というのはこのあたりでしょうか。また面につけられた髪が髪毛ではなく、縒り紐でできた髪となっているのも他の面とは異なっています。
左方と右方の両方で伝承されており、右方で舞われることの多い舞ですが、今回は左方の只拍子で上演します。
もう一曲は「納曽利」です。清少納言は「落蹲」と記していますが、現在では二人舞の場合は「納曽利」、一人舞の場合は「落蹲」と呼ぶことが多いようです。高麗楽で伴奏される右方の舞で、面をつけた二人が舞い、双竜の舞とも呼ばれています。
2022.04.25
演奏会
~臨時の祭の日・・・横笛をいみじう吹きたてたる、あなおもしろと聞くほどに、半らばかりより、うち添えて吹き上りたるこそ、ただいみじう麗し髪持たらん人も、皆たちあがりぬべけれ心地すれ。やうやう琴、笛にあわせて歩み出でたる、いみじうをかし~
~舞は駿河舞、求子、いとをかし~
臨時の祭といえば賀茂神社もしくは石清水八幡の臨時祭で、東遊が上演されます。清少納言は臨時の祭の見物が大好きだったようで、その記述がいくつもあります。
上記の部分では「笛が吹きたてているところに篳篥が加わると、髪が立ちあがるような心地がする」というのですが、これは臨時の祭で演じられる「東遊」の冒頭で、和琴と高麗笛、篳篥が「狛調子」を奏でるシーンかもしれません。
東遊の後半にあたる「駿河歌」と「求子歌」には舞がついており、清少納言はこの舞がお気にいりだったようですね。
今回の演奏会では、歌と笏拍子、和琴、高麗笛、篳篥で、「狛調子」「求子歌」などをお聴きいただきます。
2022.04.23
演奏会
清少納言は絃楽器の中では琵琶がお好きだったようです。
~弾くものは~
の段では、まず琵琶をあげ、「風香調」「黄鐘調」「蘇合急」「春鶯囀」と曲を連ねています。
~箏のこと、いとめでたし。調べはさうふれん。~
続いて箏についても素晴らしいと評してから、「想夫恋」という曲名を挙げています。
この「想夫恋」は「相府蓮」として現在も演奏されている平調の曲ですが、箏の手にとりたてて他と違うところがあるわけではなく、箏だけで演奏されることもありません。
清少納言がわざわざ曲名を挙げているのは、もしかしたら「想夫恋」という曲名が素敵だったからなのでは?と勘繰りたくもなりますが、一方で、もしかしたら彼女の聞いた「想夫恋」は、今とは少し違う弾き方だったかもしれない、とも思えます。
そこで今回は、「仁智要録」という12世紀の箏譜を参照し、これを手掛かりにして「想夫恋」を演奏する試みを行います。
「仁智要録」に記された昔の調絃法、今では失われてしまった左手で絃を推す奏法、数種書き分けられている右手奏法、テンポなどについて解釈しながら古譜を読み解いてみました。
箏独奏と、箏・笙による二重奏にて試演する予定です。これなら「想夫恋」をまっ先に挙げた清少納言に共感できる、といっていただけるような魅力的な演奏になるかどうか・・・どうぞご期待ください。
さらに、現行の「相府蓮」も滅多に演奏される機会のない曲ですので、16人編成の管絃で演奏する予定です。
「想夫恋」と「相府蓮」どちらもお楽しみください。
2022.04.23
演奏会
5月24日の伶楽舎雅楽コンサートno.39は「枕草子を聴く」と題し、『枕草紙』に記された雅楽のシーンや楽器・楽曲評をご紹介し、彼女の感性を通して見えてくる雅楽の世界をお楽しみいただきます。
~笛は横笛、いみじうをかし。遠うより聞ゆるが、やうやう近くなりゆくもをかし。近かりつるがはるかになりて、いとほのかに聞ゆるも、いとをかし。~
遠くから聞こえる笛の音がだんだん近くなる面白さ、また遠のいていく音に耳を澄ます清少納言の感覚に、現代の私たちも共感できますね。
~おはしまし着きたれば、大門のもとに高麗唐土の楽して、獅子・狛犬をどり舞ひ、乱声の音、鼓の声にものもおぼえず~
清少納言が我を忘れて感動したという「獅子」「狛犬」は、ともに伎楽や散楽と関係する曲で、大法会などで演じられていたようですが、現在は演奏されていません。今回は、芝祐靖の復曲により、左方の「獅子乱声」は龍笛の独奏、右方の「狛犬乱声」は高麗笛の退吹と太鼓、鉦鼓で演奏します。
~笙の笛は、月のあかきに、車などにて聞えたる、いみじうをかし。~
笙の笛は、月の明るい晩に、牛車に乗っていて聞こえてくるのが、たいへん趣がある、と、清少納言は笙もお好きだったようです。
今回は「平調調子」を笙5管で演奏いたしますので、月の明るい晩を想像しながらお聞きください。
~篳篥は、いとかしがましく、秋の虫をいはば、くつわむしなどの心地して、うたてけぢかく聞かまほしからず。ましてわろく吹きたるはいとにくきに~
篳篥はくつわむしみたいに、とてもうるさくて、傍では聞きたくない。まして下手に吹いたものは本当に腹立たしい・・・! 清少納言は篳篥には手厳しい意見ですね。
「わろく吹きたるは・・・」と酷評されないようにと願いつつ、今回の演奏会では「黄鐘調調子」を篳篥5管の退吹で演奏いたします。
2022.04.08
お知らせ
伶楽舎がアーツカウンシル東京の「長期助成プログラム」を受けて、
2015年から3年間取り組んだ「子どものための雅楽プロジェクト」の活動報告会が行われ、その時の内容が記事としてまとめられ、アーツカウンシル東京のサイトで公開されました。
芝先生作曲の「ポン太と神鳴りさま」に代表される、先生の子どもたちへの雅楽の思いを受けて取り組んだもので、この助成のお陰で実現したCD、DVDの製作、演奏会、新しい作品の委嘱などについて、振り返りました。
どうぞご覧ください。
前編
https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/blog/51845/
2022.02.16
未分類
去る2月14日福島、ふくしん夢の音楽堂にて行われた子どものための雅楽教室の模様が、福島のNHKニュースで放映されました。
2022.01.01
お知らせ
謹んで新春のお慶びを申し上げます。
年頭にあたり、皆さまのご健勝と世界の安寧を心よりお祈り申し上げます。
昨年は、1月のロームシアター「雅楽 現代舞踊との出会い」を皮切りに、定期公演では「舞楽風組曲」「呼韓邪単于」「三十二相と散吟打毬楽」など芝祐靖作曲(復曲)の大曲の数々を演奏致しました。相次いで発令、延長された緊急事態宣言の中、多くの演奏会が延期となりましたが、お陰さまで、10月以降に振替が叶い、有り難いことに、延期公演や新規の演奏会などで忙しい秋となりました。自主企画特別公演として、11月30日に開催した、2018年のパリジャポニスム公演の再演「伶楽舎×森山開次 雅楽で舞う 雅楽と踊る」公演も伶楽舎にとって大きな事業でした。昨年一年間、本当にありがとうございました。
さて、2022年度も幾つかの自主企画公演を予定しております。
5月24日(火)伶楽舎雅楽コンサートno.39〜枕草子を聴く(仮題)(なかのZERO小ホール)
7月23日(土)伶楽舎子どものための雅楽コンサート2022(千日谷会堂)
2023年1月28日(土)伶楽舎第十六回雅楽演奏会(紀尾井ホール)
演奏会情報は、随時、公式サイトやfacebook、ツィッターで発信して参ります。
本年も変わらぬご厚情を賜りますよう、何卒お願い申し上げます。
2021.12.08
演奏会
2021.11.29
演奏会