2024.05.04
演奏会
源氏の君が笛を吹きながら幼い紫の君に箏を教えるシーン(「紅葉賀」)に、「ほそろくせりというものは名は憎けれど、おもしろう吹きすまし給へるに、掻き合わせまだ若けれど、拍子違わず上手めきたり」と記されています。今聞いても面白い曲名ですが、昔もそう思われていたのですね。
実はこの曲、今では長保楽破(ちょうぼうらくのは)と呼ばれています。保曽呂倶世利を破とし、加利夜須を急として舞楽にしたのが長保年間だったためです。
源氏の君は笛が吹けただけでなく、箏を教えることができるくらい精通していらしたんですね。そして紫の君も覚えが早くて音楽の才能があったことがうかがえます。
普段この曲は舞楽として上演いたしますので、篳篥・高麗笛と打ちもののみで演奏するのですが、今回は琵琶・箏も入れた管絃で演奏いたします。