今回の公演は「遣唐使と雅楽」と題して、遣唐使が伝えた雅楽曲なども演奏しますが、
「清上楽」は遣唐使であった大戸清上(おおとのきよがみ)自身が作曲した曲です。
大戸清上は、承和の遣唐使(承和5-6年・西暦838-839年)として唐に渡りながら、帰国時に逆風に遭い、南海の土地に流されて賊に殺されてしまったという悲劇の音楽家。
清上は、河内国生まれで、仁明天皇の笛の師でもあり、「承和楽」「胡飲酒」「海青楽」などを作曲・改作したと伝えられる素晴らしい音楽家だったようです。さらに唐に渡って、もっと楽を学びたい、という思いをこめて作った曲が、今回演奏する「清上楽」だと伝えられています。
「清上楽」は、1997年に芝祐靖復曲によって復元されており、伶楽舎でもその管絃バージョンを2014年第十四回雅楽演奏会で取り上げましたが、同じ曲が正倉院復元楽器合奏バージョンでも復曲されており、今回はこの復元楽器バージョンを29年ぶりに演奏します。
実は1997年の国立劇場公演で「清上楽」が初演された時には、大劇場の一方に管絃の奏者、もう一方には復元楽器合奏の奏者が座り、管絃版と復元楽器版が、道行、序、破、急と交互に演奏されたのでした。
笙、竽、篳篥、大篳篥、排簫、尺八/横笛、横笛、四絃琵琶、阮咸、鉄絃箏、箜篌、磁鼓、方響、律鐘の14人編成で演奏される「清上楽」。どうぞご期待ください。