2026.01.07
演奏会
1月22日の公演では「新春を寿ぐ」というテーマにふさわしく、新春の宮中行事「男踏歌」を取り上げます。
男踏歌は、年が明けて初めての満月の前の晩に行われる年中行事でした。
内裏の清涼殿前庭で行われてから、院の御所や中宮、春宮などの邸宅を回り、また内裏に戻るという流れだったようです。踏歌の人々はまず庭前に参入し、「言吹」が祝詞や豊年を祈る詞を奏し、「絹鴨」「萬春楽」「此殿者」「竹河」「我家」などの歌を歌い舞を舞ったりし、ご馳走やお酒もふるまわれて、最後はご褒美の綿(真綿)を肩に被(かづ)けられて退出するのです。
『源氏物語』の「初音」の巻には、男踏歌の一団が、もう夜も開けようとする頃に六条院へやってくる場面が描かれています。薄雪が積もる中、若者らが「竹河」を歌う様子は「絵にも描きとどめがたらん」美しさ。翌朝になっても源氏の君は「萬春楽」を口ずさんで、息子の声もなかなか良かったなどと評したりするのです。
男踏歌は10世紀末には廃絶してしまい、音楽も舞も伝えられていませんが、今回は2008年に芝祐靖氏が節をつけた歌で新たに構成された男踏歌を上演いたします。
「萬春楽」や「我家」など、口ずさみたくなる節に、1000年前の男踏歌に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。