2022.04.25
演奏会
~抜頭は髪振り上げたる。まみなどはうとましけれど、楽もなほいとおもしろし。~
~落蹲は、二人して、膝踏みて舞ひたる。~
『枕草子』の舞の段で挙げられている曲目は、「駿河舞」「求子舞」「太平楽」「鳥(迦陵頻)」「抜頭」「落蹲(納曽利)」です。
いずれも現代でも人気のある舞ですが、今回の演奏会で取り上げるのは「抜頭」と「納曽利」です。
「抜頭」の面は赤ら顔に大きな鼻、太い眉毛が吊り上がっているのが特徴的で「まみなどはうとまし(目つきなどが気味悪い)」というのはこのあたりでしょうか。また面につけられた髪が髪毛ではなく、縒り紐でできた髪となっているのも他の面とは異なっています。
左方と右方の両方で伝承されており、右方で舞われることの多い舞ですが、今回は左方の只拍子で上演します。
もう一曲は「納曽利」です。清少納言は「落蹲」と記していますが、現在では二人舞の場合は「納曽利」、一人舞の場合は「落蹲」と呼ぶことが多いようです。高麗楽で伴奏される右方の舞で、面をつけた二人が舞い、双竜の舞とも呼ばれています。