2020.12.21
演奏会
〇高麗楽 狛犬 乱声、破、急(芝祐靖復曲1981年)
芝祐靖は数多くの遠楽(廃絶曲)を復曲していますが、そのほとんどは唐楽曲や歌物(朗詠や催馬楽など)で、『遠楽の復曲』に収められた16曲の復元曲の中に高麗楽曲は1曲しかありません。今回はこの高麗楽曲「狛犬」を取り上げます。
「狛犬」は、相撲節や打毬のおりに勝負の音楽として右方が勝ったとき奏されたといい、大法要の時には、左方に獅子、右方に狛犬を奏すとされていました。
残念ながら早くに廃絶してしまったこの曲ですが、「懐中譜」(1095年大神惟季撰)には「狛犬 乱声・破・急」の笛譜が書き残されており、芝祐靖はこの譜をもとに高麗楽の編成に復曲し、昭和53年(1978)国立劇場の「舞楽法会 安養楽土」で初演されました。
往時は狛犬の扮装をした舞とともに奏されたと想像できるこの曲ですが、今回は演奏のみでお聴きいただきます。
高麗楽「狛犬」を「乱声、破、急」の構成でお楽しみください。