2019.04.03
演奏会
「青海波」は、元々は平調だったものを、仁明天皇(在833-850)の勅命により盤渉調に渡した(移調した)と伝えられています。この平調の原曲は残念ながら失われてしまったようなのですが、実は古譜を探すと平調「青海波」の譜がいくつも残されています。どうやらこれらは現行の盤渉調「青海波」から渡されたようです。
実は古譜を探すと、この平調と盤渉調の他にも、黄鐘調と双調に「青海波」が載っていることがあります。黄鐘調の方は現在も演奏されていますが、双調でも「青海波」が演奏されていたというのは驚きでした。
「越殿楽」のように3つの調で演奏される曲は他にもありますが、4つの調で演奏される曲というのはとても珍しく、いにしえの人々の「青海波」への思い入れの大きさを感じます。
今回の演奏会では、管絃にて、平調と盤渉調の「青海波」は全曲、双調と黄鐘調の「青海波」は抜粋して演奏いたしますので、どうぞお楽しみください。