2025.05.10
演奏会
管絃「三臺塩 序破急」芝祐靖復曲構成(1998年)
「三臺塩(三台塩)」は、唐の則天武后が、張文成という男を思慕し、その情を写したこの曲を作った、と伝えられています。
もとは序破急が揃っており、今も「急」の部分は平調の曲として演奏されていますが、序と破は伝えられていません。
「破」は古譜が残っていますが、「序」は犬上是成が舞師であった時、この序を秘して伝えなかったので、平安期にすでに伝承が途絶えてしまったといいます。
芝祐靖師は、この曲を序破急揃った一具として演奏するため、今に残る「三臺塩急」の特徴ある旋律を用いつつ「序」を作り、「破」は古譜から復曲した旋律に「急」独特の旋律も組み込んで、延只八拍子の楽曲に編み出しました。
延只八拍子は今ではほとんど演奏されることのない拍子です。
「三臺塩」の「塩」は「艶」にも通じるといいます。則天武后の艶やかなエピソードを持つこの曲をゆったりとお楽しみください。