2024.12.17
演奏会
管絃のための「舞風神」序・破・急(2008年作曲)は、ミュージック・フロム・ジャパン創立35周年を祝って作曲された曲で、2010年2月北米ツアーの折、ニューヨーク・マーキンコンサートホール公演で初演されました。
京都・蓮華王院(三十三間堂)にある風神像が、風袋を絞りつつ鳴き叫び、今にも飛びかかろうとしている姿に迫真の気勢を感じ、この風神像のイメージで作曲されたとプログラムノートにあり、委嘱者のMusic from Japanの頭文字MFJを生かして「舞風神」という曲名がついたと聞いています。
この曲は、雅楽の古典形式に倣って、序・破・急の三章となっています。
「序」は、静謐の蓮華王院の佇まいを表し、フリーリズムの序の様式。
ゆったりした「破」の部分は、平安時代から三十三間堂に安置され、世の安穏を祈り続けている穏やかな仏像群を表しています。
「急」は、想像の中で、風神像が雲座から飛びおりて軽やかに舞い回る姿が、軽快なリズムと旋律で表現されています。
譜面に「跳拍子」と記されている通り、跳ねるように楽しい曲で、作曲者の豊かな遊び心を感じる名曲です。