2025.04.30
演奏会
〇正倉院復元楽器合奏 「風香調調子」芝祐靖作曲(1986年)、
「急胡相問」芝祐靖復曲(1987年)
敦煌の千仏洞第十七窟で経典や文書と共に発見された琵琶譜は、唐代に書かれたと思われるもので、当初は解読不能といわれていましたが、日本の雅楽の伝承が手がかりとなって解読が可能となりました。芝祐靖はこの琵琶譜に記された音と音との間に存在した「古代の旋律」を見出すことは不可能でも、各楽器の特性や音律を考えあわせれば、かなりのところまで近づけるのではないかと考えて旋律を探り、25曲を正倉院復元楽器を用いた合奏へとオーケストレーションしました。
今回演奏する「急胡相問」は、曲名から西域の胡の国の相問歌(相聞歌=恋の歌)の急(序破急の急)と解釈して、軽快な合奏部分のなかに歌垣(恋の二重唱)を思わせる対話的な部分が配された曲です。
また、「風香調調子」は敦煌琵琶譜に記された曲ではありませんが、唐楽では楽曲の前に調子を演奏することに倣い、芝祐靖が付した曲になります。会場を「風香調」の雰囲気に満たす各楽器の音色をお楽しみください。