2024.01.23
演奏会
江戸時代には様々な人が雅楽研究を行っていますが、八代将軍吉宗の二男、田安宗武(1715-1771)は、古楽書にもとづく復古を志して膨大な雅楽研究を残したことで知られています。
今回の演奏会では、宗武がとりわけ気に入ってと絶賛したという「安楽曲」を宗武の記した『楽曲考附録』の楽譜などを参考にして再現してみます。
またこの曲の調は「正宮調」という唐代の文献に見える調に属する1曲として扱われていますので、「安楽曲」の前に「正宮調調子」を演奏します。
正宮調とは聞きなれない調名ですね。今の雅楽にはありませんが、宗武は壱越調の枝調である沙陀調にあたると考えています。
確かに「安楽曲」を吹いてみると、壱越調とはちょっと違う音の巡りが入っているようです。
この曲、一般には「安楽塩」と呼ばれている曲なのですが、「塩」を「曲」と呼び変えたのも宗武のこだわりがあるようです。
宗武が「正しい中に美しさがあり、なんとも言えずに面白い」という「安楽曲」ですが、果たしてどのような曲なのでしょうか。
どうぞお聴きになってみてください。