2023.04.27
演奏会
笙と三絃のための小品 円江(つぶらえ)(風俗歌より) 芝祐靖作曲(1994年)
高田和子により委嘱され、1994年の三絃リサイタルⅤにて、高田和子(三絃)、石川高(笙)により初演された曲です。
風俗歌の「つぶら江」は大阪船場の西にあたる「津村」のあたり、おそらく古代には円形の入り江だったであろう場所の風情を詠ったもののようですが、旋律は伝えられていません。
芝は、風俗歌「つぶら江のや 瀬なや 秋なれば 霜降り渡る 難波(なば)のつぶら江」に古代歌謡風の旋律を付し、この曲の中間部で三味線奏者に歌わせています。
実は、この歌の部分には元曲があり、芝が1963年10月に、中島雅楽之都(1896-1979)の委嘱により歌と箏独奏のために作曲した「つぶら江」の歌の旋律が用いられています。
今回の演奏会で取り上げる「三重奏曲」と同じ年ですね。
江戸情緒を彷彿とさせる三絃に、古代楽器を象徴する笙と風俗歌を取り合わせることで、どのような曲となるのか、お楽しみください。