2023.04.27
演奏会
この曲は、NHKの委嘱により芝祐靖が1963年2月に作曲したもので、篳篥―東儀博、箏―伊藤松博、十七絃―宮下伸による演奏が、5月3日にNHK第2放送、同10日にNHKFMで放送されました。
芝が初めて作曲を手掛けたのは、西洋オーケストラのための作品〈御成婚祝典序曲〉(1959)でしたが、その後、雅楽の楽器と邦楽の楽器を取り合わせた作品をNHKの委嘱により作曲し始めます。
この作品はそのごく初期の作品で、1962年「西寺」(笙、尺八、箏、十七絃)に続くものです。小編成の「西寺」と「三重奏曲」の作曲の手ごたえを元に、同1963年7月に16名の大編成による初めての作品「舞楽風組曲」が作曲されることになります。
残念ながらこの曲は再演の機会に恵まれず、今回は1997年以来久しぶりの演奏となります。
芝が雅楽を用いた新作を意欲的に作曲することになる、その始まりとなる曲の一つとしてこの曲をご紹介できることはたいへん嬉しいことです。
華やかな奏法を取り入れた近世の箏と十七絃と、哀愁ある旋律を奏でる篳篥のアンサンブルをお楽しみください。