2023.01.16
演奏会
桑原ゆう作曲「歌虚言の場」Garden of Onomatopeiasは、伶楽舎が委嘱し、今回が初演となる管絃11人編成の作品です。
「歌虚言」とは「絵空事」同様、文学や芸術の中で、うそかもしれないけれど、美化され強調された表現の中でこそ真実が見えてくる、という意味の言葉。また「場(にわ)」とは神を迎え祀る場所、何かを生み出す神聖な空間、ひいては音楽の空間だといいます。
桑原さんは<雅楽ほど「にわ」たりえる音楽はないと思われる>と語っておられ、雅楽の曲を書くことになったら「にわ」と名づけようと決めていたのだそうです。
曲は、雅楽の唱歌と楽器の演奏の関係のように、「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」という中原中也の詩などの言葉が歌われ、楽器の音に変換され、麗しく展開していきます。
雅楽の歌虚言の場、紀尾井ホールの庭に、どんな真実の音が響くことか、それを夢見てリハーサルに臨んでいます。是非、ご期待ください。