2021.04.10
演奏会
聲明「三十二相(さんじゅうにそう)」と雅楽「散吟打毬楽(さんぎんちょうぎゅうらく)」
三十二相本曲・散吟打毬楽破
三十二相急曲・散吟打毬楽急
「三十二相」とは の姿の三十二の特徴(瑞相)を数え上げた天台宗の声明で、雅楽の「散吟打毬楽」と合奏されることで知られています。
声明と雅楽は法会の中で同時に演奏されることがしばしばありますが、普通はそれぞれ別々の音楽が同時に演奏されたり、声明の旋律に付楽をするにとどまります。
この「三十二相」と「散吟打毬楽」は異なる旋律を奏でながら不即不離に拍を合わせて演奏される非常に珍しい曲です。
声明と雅楽がお互いの節のめぐりを心得ながら演奏せねばならない難曲であり、演奏が途絶えていたため、明治期から幾度も復曲が試みられているのですが、今回は平成22年(2010)の国立劇場公演で、芝祐靖氏が古譜に基づき研究を重ねた復曲と補曲により、これを演奏します。
声明と雅楽が付かず離れず、荘重な響きで仏世界へといざなうこの曲をどうぞご堪能ください。また、散吟打毬楽破は、現在の雅楽ではほとんど用いられない延只八拍子でで演奏されますので、そこにもご注目ください。